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吉祥寺の家

緑陰を愉しむ家

 東側を道路に面し、間口の広い恵まれた敷地に見えますが、奥に行くほど狭くくびれていく三角形に近い不整形な形です。敷地の奥には覆い被さるように大きな樹木が生えていて、元のお住まいでは湿気や落ち葉に悩まされていたそうです。
 南側隣地は企業の管理地になっていて人の出入りもあるため、南に向かって開放的なプランとすることはプライバシーの事を考えると困難でした。そこで大きな窓を設けるのではなく、変形した敷地にあわせて雁行させた平面のそれぞれの面に程よい大きさの窓を設けることで、隣地からの視線をコントロールしやすく考えました。またその部分を吹き抜けとすることで、上部からの採光で必要な明るさを補うとともに、吹き抜けの壁に映える光や、見上げる梢の緑が印象的に感じられる、この家の象徴的な空間としています。
 そこでは以前には迷惑な存在だった大樹が、風にそよぐ音や緑陰をもたらしてくれる、この住宅に欠かせないものになりました。
 吹き抜けは家全体を結ぶ屋内空間の中心でもあり、家族が何処にいてもその気配を伝えてくれています。

撮影:黒住直臣

左官の壁と木製ルーバーが落ち着いた佇まいを見せます。

玄関は木製の引戸を製作しました

敷地の高低差をリビング手前の階段で処理しています

リビング手前に洗面とトイレを配しています

リビングのドアを開けると部屋の一番奥まで視線が通ります。左側は和室。

3畳の和室。少し表面を荒らした土壁風の仕上げと相まって落ちつくスペースです。

左官仕上げの珪藻土の壁が光を柔らかく広げます。

吹き抜けのリビングに対して天井高さを抑えて落ち着いたまとまりを作るダイニング。

製作したキッチン。対面カウンターの中は収納になっています。

吹き抜け上のライブラリーとそれに続く子供部屋

上り下りの際に何が見えるのかも大切です。

敷地奥に茂る高木の梢を楽しむ吹き抜けの高窓。強い光が苦手な施主のために窓の大きさに配慮しています。

廊下の奥に子供部屋

トップライトからの光が様々な影を映します。

ルーフテラスに通じる洗面室。床は天然リノリウム貼り。

壁と天井をヒノキで仕上げた浴室。

寝室の奥に設けた書斎コーナー