相模湾を一望にするスキップフロアの家
敷地は海を見下ろす高台に作られた街区にあるのですが、周囲の家々に塞がれて1階床の高さからでは眺望の得られる場所は限られていました。
そこでまず設計の中ではいかに景観を取り込むかをテーマとし、また日々の生活の中でもその眺望や開放感へと自然に導かれる家としたいと考えました。
前庭を通ってアプローチする落ち着いた玄関から、リビング、ダイニングへと奥に進むに従って空間は徐々に開け明るくなっていき、最後に江ノ島から富士山まで一望にする景観へと行き着きます。
来客をもてなすこともある落ち着いた1階と対照的に、家族のプライベート空間である2階は存分に景色を楽しめる明るく開放的な空間になっています。
一方外観は、風致地区でもある歴史ある街区にふさわしい落ち着いたファサードとなるように意識し、近隣の方には「昔から建っていたみたいに街にとけこんでいる」と言っていただきました。
まだ小さなお子さんのいらっしゃるご家庭なので、ダイニングの吹き抜けで子供部屋とつなぎ、広い家ではありますが、キッチンに居ながらにして子供と交流が持てるように工夫しています。
また、長期滞在の可能なゲストルーム、ビルトインガレージ、半地下のフィットネスルームなどを備えた住宅です。
撮影:黒住直臣