趣味のガレージと向き合うコートハウス
大きな敷地に対して、あえて家を内向きのコートハウスとし、中庭をリビングと一体に使えるプライバシーの強い空間とすることで、自分たちにとって気持ちの良い適度な広がりをつくり出しています。
一方で、ご主人がライフラークとしてロードレースに取り組んでいらっしゃり、日々自転車を整備し、トレーニングをするための部屋が必要とされました。騒音や油の臭い等に配慮しなければなりませんが、自転車に向き合っている時間、家族から隔離されてしまうようなことは避けたかった。ここでもまた、コートハウスの構成により、自転車部屋を中庭を挟んでリビングと向きあう「離れ」の配置とすることで、お互いの様子が伺え、家族と一緒の空気を感じながらも、心おきなく自転車に取り組める環境をつくる事が出来ました。
屋内でもリビングの上に吹き抜けを設けて、1・2階の空気(気配)をつなげるように計画しています。これによって、平面的に広がる中庭と立体的に広がる吹き抜けによって、リビングを中心に家中の空気がつながっています。
撮影:冨田治