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中野本町の家

1、2階で住み分ける、完全分離型の2世帯住宅

 1階親世帯の間取りは家相を中心として決定されました。建具を全て引き戸とすることや、生活動線に行き止まりを作らないようにすることで、日常的な使いやすさとともに、通風、採光、バリアフリーに配慮しています。建てかえる前と同じように庭への広がりを感じる、落ち着いた接地感の強い空間です。
 2階子世帯はパン教室の開かれるオープンキッチンを中心として、豊かな採光と、立地を生かした眺望と開放感を求めました。親世帯とは対照的に空を意識した空間です。キッチンはディテールまで施主のこだわりを実現するためにオーダーメードで製作しました。
天井にあらわされ頂部のトップライトを横切る登り梁が、大きなワンルームのようなシンプルな空間にリズムとスケール感を生み出しています。テラスに面する木製建具は全て開け放つと、テラスとダイニングは一体となり、より一層の広がりが生まれます。ロフトの窓からは新宿の高層ビル街の景観を楽しむことが出来ます。

撮影:冨田治